燦たる夜で、貴女を守りたい——
“グランドホテル桜花荘”
時は大正。
古今、そして東西の文化が混ざり合う変革の時代。
煌びやかな文明が花開く帝都に、凛と立つホテルが在った。
小さくしつらえたエントランス、ちょっとわかりにくい位置のエレベーター、自動ドアではない玄関、グルメをうならせるレストラン。
“お客様ひとりひとりに最高の夜を......"
強い信条と矜持を胸に日夜尽くす壮麗なホテル。
その名はグランドホテル 桜花荘。
それら綿密に設計された空間を支える100名ほどの
紳士淑女を束ねるのは、うら若き少女だった。